Xerpaブログ|日本のサービスで外貨をかせぐ

日本のサービスが海外で勝つための方法を考えるブログです

孫さんに続け?東南アジアB2B SaaSに投資する3つの理由

1. 変わる東南アジアの街並み

東南アジアってみなさんどんなイメージなんですかね。

車とバイクと自転車がごった返してて、路地には見たこともない果物とか野菜とかを売ってる露天がひしめいてる。歩道はボコボコであるきにくい。でも、車道に出ると一瞬で引かれる。夜は暗いし、風俗がおおっぴらに存在する。

こんな感じですかね?

f:id:monsaan:20190819124549j:plain

 

もちろん、このイメージはあってます。でも、ビジネスの中心地になるとこんな感じ。

f:id:monsaan:20190819124825j:plain

ジャカルタ中心地

めっちゃ、都会です。

金曜日の夜は洋楽がガンガン流れるクラブにベントレーで乗り付け、シャンパンがぶ飲みするやつもいるし、高島屋でネスプレッソを普通に定価で買っていく奥様もいる。支払いはPayPayみたいなデジタル決済、タクシー以外にGrabとかUberが普通、UberEatsなんて日常茶飯事、これはこれで東南アジアのリアルなんです。

 

2. 誰も彼もがスタートアップ

みんな、めっちゃ起業します。パンチドランカーなのか?脳内が麻痺しているのか?と思うくらい、リスク背負って起業します。

日本で起業っていうと、IT系とか意識高い系のイメージが多いですが、カフェやカラオケ、雑貨屋、和菓子屋なども彼らにとっては起業です。中には、博物館を作ろうとしているツワモノもいます。

ベトナムのブオン・ディン・フエ副首相は、2016年から2020年までに100万社のスタートアップを創出し、ベトナムを「起業国家」にするという宣言をしました。なんか、「一億総活躍社会」みたいな響きですね。なかでも、IT、観光サービス、食ビジネスなどが中心に据えられています。

特にSaaSは、設備投資が小さい、営業チャネルの重要度が小さいことから、ガンガン起業しています。そこらへんの大学生が、「アプリの開発会社をたちあげます!」みたいな。ビジネスモデルもあいまいだし、事業計画なんて見たことがないですが、ガンガン行きます。

これ、逆に言い換えると、圧倒的な市場支配者が少ないんです。市場ニーズに供給が追いついていないので、どんどんスタートアップが立ち上がるんです。

 

3. 人口増と経済成長という波

東南アジア、特にベトナムインドネシアは言うても、まだまだ経済力はありません。体感する物価水準は、日本の4分の1から3分の1程度でしょうか。

彼らには人口増加と5%から6%を超える経済成長の波にのってます。どんな、小さな船でも順風ならぐいぐい進みますし、日本のように人口減、経済停滞という逆風なら、どんな優秀な高速船も減速します。

ほっといても、日本以上に成長していくのが東南アジアです。

 

4. 外資が出資したがっている

人口増が見込めると、長期的にはその国の内需が魅力的になります。インドネシア2.5億人、ベトナム1億人、それが物やサービスを買っていくわけですから。なので、自国マーケットの停滞が始まった外資が目をつけるわけです。

一方で、東南アジアの中で、タイ、インドネシアベトナムカンボジアラオスは英語が使われません。観光では通じます。でも、各社のホームページ表示言語は英語ではなく、各国の母国語です。日本人にはまったく読めないウェブサイトばかりです。ユーザーも情報収集にはローカル言語をつかって検索するわけです。「名刺管理」って日本語で検索するベトナム人なんて、0.01%もいないでしょう。

つまり、どんな外資系企業も母国での成功が通用しにくいんです。SanSanがどんなに日本で成功しても、ベトナム人はだーれも知りません。

そこで、1から市場を開拓するよりは、すでに現地で目が出てる会社を買ってしまおう!ということになるわけです。札束ペシペシ攻撃ですね。日本円にすれば、東南アジアの会社はまだまだ安いので、リスクも抑えられますし。

 

4. 実際すごいスタートアップが産まれてる

市場は伸びているし、その波にのってスタートアップがナメコのように増えてますし、そこにお金を入れたがっている人がわんさか。

そんな中で、時価総額1,000億円を超えるユニコーンが生まれています

シンガポールGrab

インドネシアのGojek

インドネシアのTraveloka

 

 

5. まだまだのB2Bエリア

成長しているぜ!といっても、そのほとんどがコンシューマ向け(B2C)なんですね。オンラインコマース領域では、シンガポールのShoppyやベトナムTiKi、Lazada、インドネシアTokopediaが注目されてますし、電子決済も各国有名スタートアップが生まれています。

一方、B2Bとなるとメガベンチャーは激減します。でも、無いわけじゃないんです。マネーフォワードにそっくりのサービス(ベトナムのMisaやインドネシアのMekariなど)もあれば、HRTechの企業もたくさんあります。ただ、B2Bで有料サービスを利用する環境に至っていないため、マネタイズに苦しんでいるのです。

 

6. だからこそのB2B SaaSスタートアップ投資

前の通りB2B市場はまだまだです。でも、

・圧倒的支配者が不在で、大量のスタートアップが産まれている

・人口と経済の爆発的成長がつづく

・そこにお金を入れたがっている人がたくさんいる

という3つの背景を考えれば、B2Bマーケットが立ち上がらない理由はありません。

正直、B2Cベンチャーはすでに手が届かない金額に達しています。高い!でもB2Bは、圧倒的に格安です。さらにSaaSモデルは必要キャッシュが少ないのでリスクも小さい。だからこそ、B2B SaaSへの投資タイミングは今だと感じています。