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「会社は株主のもの」という不条理

「会社は株主のもの」

MBAでも習います。もちろん、そこには従業員や社会、ユーザーなど、他の用語も入りますが、1990年くらいからEVAだなんだで、株主への価値提供が重視されるようになりました。

ただ、私、最近これって正確じゃないのでは?と思ってまして。

 

「会社は、多くの場合、今はなき昔の株主のもの」

という印象を抱きつつあります。特にIT系の会社。

 

起業家が自己資本で起業し、その後ファンディングを受け、うまく行けば最後は上場したり買収されてエグジットする、これが王道になっています。

そして、最近のIT系の上場は、初値が上場来高値で、その後ずーーーっと落ちていくケースがみうけられます。

 

ロックアップ期間はありますが、上場の高値で売り抜けたVCや創業メンバー、古参社員には多額のキャッシュが入ります。その後、その創業メンバーや古参社員が立てた見込みを達成できず、株価は下がり始めます。

そこで、創業メンバーや古参社員は、社員に対して「結果を出せ。会社は営利集団だ」とはっぱをかけます。

 

でもね、すこーし何かがおかしい。

株価を高くして売り抜けた人が立てた計画の未達を、一般社員に押し付ける。

計画を達成しても株価はあがりません。論理的には横ばいです。

 

会社のアグレッシブな事業計画を達成することで生じる価値は、その計画で上場した時の株主に刈り取られ済みなんです。だから、今の株主のためではなく、昔の株主のために働いている感が生まれるのです。

 

学術的には正しくない論理展開ですが、これが今のIT系企業に起きている不条理に感じます。この不条理から逃れるには、短期的に高い株価を狙わない、もしくは、自らが起業するか、なんでしょうね。

 

Hasta luego♪