ベンチャー企業での飲み会が大企業と違う理由
39歳という無謀な年齢で、私は当時50名ほどのスタートアップに転職しました。
それまでは、一部上場の日本最大級の会社で16年ほど勤めてました。自分で言うのもおこがましいですが、昇進は同期の中でもトップで、まぁ安泰な人生を歩んでました。でも、なかなか自分の希望する仕事を手にすることができず、「あとは野となれ山となれ」と言う気持ちで飛び出したのです。
3年たった今、大企業とスタートアップの間でいろいろな差を感じてます。人やスピード感、文化、働きかたなどなど。
真面目な比較は、ほかのすごい人にとっておいて、ちょっとしたことだけど大きく違う「飲みかた」をご紹介します。
同僚と飲んで職場をかたる大企業
基本、同僚と飲んでました。あるいは、職場関係のパートナーさんですね。
パートナーさんといっても、お客様というより、発注先や委託先といった「こちらがお客様になっている会社」が多かったです。
残業が多く夜11時ごろに終わるのはザラで、それからお客様と飲むのはほぼ不可能。結局、同僚と「疲れたぁ、いっぱい行こーぜ」となるのです。
そこまで遅い時間から飲むと、話の内容も仕事になりがち。内容は、愚痴や笑い話です。
人脈を作るためにも外の人と飲みなさい、とは本に書いてあるのは知ってました。でも、お客様も大手企業の方が多く、飲み会を設定しようとすると4対4とかの大人数。そこに、部長とか取締役とかが混じれば、もう日程調整だけでカオスです。
なので、同僚との飲み会がほとんどでした。
社外と飲んで仕事をかたるスタートアップ
比較的働き方が自由になるので、仕事→飲みに行く→家で仕事という働き方も許されます。ですので、19時からの飲み会とかも無理なく参加できます。
また、スタートアップになると、個人プレイが増えます。無駄がないといえばない、逆に言えば一つのミーティングに2人や3人張るほど人がいないんです。なので、飲み会も1人参加が増えます。
同時にお付き合いする先も、わりとスタートアップや中小企業が増えます。相手も大人数を張るほど人がいない。つまり、スケジュール調整の手間が少ないんです。
さらに、1人で参加して内輪の話をするバカはいません。相手も同じ。なので必然、仕事や趣味の話に話題は集中します。
かくして、社外とのネットワークが広がります。
環境が飲みかたすら変える
このように労働時間やお客様の規模が飲み会の形態に影響を与えます。
「あの人達は同僚とばっかり飲んで保守的だ。だから大企業の人はこまる」という人は、完全にカテゴリー的思考にはまっているだけ。スタートアップにだって、同僚としか飲まない人が多くいます。
スタートアップは個人勝負の要素が強くなるのは確かです。なので、人脈という「会社に属さない能力」を磨くことは、非常に非常に大事になります。特に、私のように年齢の高い転職者が、転職先で評価されるのは確たる実績と人脈です。
年齢の高い転職者には、時間と権限の裁量のあるスタートアップがおすすめ
すべてのスタートアップに時間の裁量があるわけではありません。フラットだからって、あなたに決裁権限が渡されるかはわかりません。
24時間ガツガツ仕事するスタートアップもあります。若い人がスキルを伸ばすには最適ですが、人脈という点では難しい職場でもあります。飲み会で人脈を築くタイプの方は、そうした視点でスタートアップを見てみてください。
その上で、職場の人とだけ人脈を築くのか、一人で飯を食うのか、家族団らんを大切にするのかは、そのひと次第です。
あとはお酒に飲まれずに飲んでくださいね。Hasta luego